リーダーとメンバーの関係性

リーダーとメンバーの関係性

Clock Icon2024.04.19
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

リーダーとメンバーの関係性は仕事において重要な要素です。リーダーとメンバーの関係を表す概念としてLMXというものがあります。この記事では、LMXとはどのようなものか、LMXはどのような影響があるか、どのようにLMXを良好にするかについてまとめます。

LMXとは?

LMX(Leader-Member Exchange)は、リーダーとメンバーの1対1の関係を指す概念です。LMXはリーダーシップ研究の分野で使用されています。

LMXは、1人のリーダーと1人のメンバーとの間で築かれる個別の関係を指します。この関係は、組織内の個々のメンバーによって異なることがあります。あるリーダーがいたとして、そのリーダーと特定のメンバーの関係が良好なこともあれば、別のメンバーとの関係は良好ではないこともあります。

LMXの具体的な状態例

良好なLMX(Leader-Member Exchange)の状態は、リーダーとメンバーの間で信頼と相互理解が高まり、良好な関係が築かれている状態です。以下はその具体例です。

相互の信頼と尊重

リーダーとメンバーはお互いを信頼し、尊重し合っています。メンバーはリーダーの指導やアドバイスを受け入れ、リーダーはメンバーの能力や貢献を高く評価しています。

オープンなコミュニケーション

リーダーとメンバーの間でオープンで率直なコミュニケーションが行われています。両者は意見を交換し、問題を共有し、解決策を共同で探求します。

共感と理解

リーダーとメンバーは互いの立場や視点を理解し、共感し合っています。リーダーはメンバーのニーズや懸念に敏感であり、メンバーもリーダーの立場やプレッシャーを理解しています。

適切なサポートとフィードバック

リーダーはメンバーに適切なサポートを提供し、成長や能力開発を促進します。また、リーダーは定期的にフィードバックを提供し、メンバーの成果を評価し、成長の機会を提供します。

共通の目標と価値観

リーダーとメンバーは共通の目標や価値観を共有し、それに向かって協力して取り組んでいます。両者は組織のビジョンや目標に共感し、それを実現するために協力します。

In-groupとOut-group

リーダーとメンバーの関係はIn-groupとOut-groupの2つに分かれます。

In-group

In-groupはリーダーと密接な関係を持つメンバーのグループです。
  • In-groupのメンバーはリーダーからより多くの支援や情報を受け、より高い信頼を得る傾向があります
  • In-groupのメンバーは組織の重要な情報にアクセスしやすく、リーダーとのコミュニケーションがより頻繁に行われます
  • このグループに属するメンバーは、より良い仕事の機会を得る可能性が高い場合があります

Out-group

Out-groupはリーダーと関係が希薄なメンバーのグループです。
  • Out-groupのメンバーはリーダーからの支援や情報が少なく、信頼も低い傾向があります
  • Out-groupのメンバーは、組織内での重要な情報へのアクセスが制限され、リーダーとのコミュニケーションが限定される場合があります
  • このグループに属するメンバーは、良い仕事の機会を得ることが難しい場合があります

LMXの影響

LMXが良好な場合、組織や個人には多くの利点があります。以下に、組織と個人の両方の視点からそれぞれの例を挙げます。

組織

パフォーマンスの向上

良好なLMXは、リーダーとメンバーの間での信頼とコミュニケーションが促進されるため、チーム全体のパフォーマンスが向上します。メンバーはリーダーにより多くの責任を感じ、自発的に仕事に取り組む傾向があります。

離職率の低減

良好なLMXは、メンバーがリーダーとの関係を重視し、組織に留まる意欲を高める傾向があります。これにより、組織の離職率が低下し、人材の定着率が向上します。

組織への適応度の向上

良好なLMXは、リーダーによるサポートと、メンバーによるフィードバック探索行動が促され、オンボーディングを通した組織適応が促されやすくなります。

個人

仕事への満足度の向上

良好なLMXは、個人の仕事への満足度を向上させます。リーダーとの良好な関係が自己評価や誇りを高め、仕事へのモチベーションを維持するのに役立ちます。

キャリア成長の機会

良好なLMXは、リーダーからのサポートやフィードバックを通じて個人の成長と発展を促進します。メンバーはリーダーとの関係を通じて新しいスキルや知識を習得し、キャリアの成長の機会を得ることができます。
言い換えるのであれば、キャリアの停滞(キャリアプラトー)を防ぎやすくなります。

組織や事業への共感

良好なLMXは、メンバーの組織や事業への共感を向上させます。リーダーとの信頼関係が強化されると、メンバーは組織の目標や価値観に共感し、組織に貢献したいという意欲が高まりやすくなります。

LMXを良好にするために必要な振る舞い

LMXを良好にするために留意すべき要素があります。以下に、必要な要素を挙げます。

信頼を構築する

メンバーとの間で信頼関係を築くことは、良好なLMXを構築するための基本です。リーダーは公平さ、誠実さ、一貫性を示し、メンバーが自分に対して安心感を持てるよう努める必要があります。

メンバーの個々のニーズを理解する

メンバーそれぞれの個別のニーズや要望を理解し、それに応じたサポートやフィードバックを提供することが重要です。個別の関心や目標に焦点を当て、メンバーが自己実現や成長を達成できるよう支援します。

コミュニケーションを重視する

頻繁なコミュニケーションを通じて、メンバーとの関係を強化し、彼らの声を聞き、意見を尊重します。オープンで透明性のあるコミュニケーションは、信頼感を高め、関係を深めます。

フィードバックを提供する

メンバーに対して定期的かつ具体的なフィードバックを提供し、彼らの成長と発展を支援します。肯定的なフィードバックだけでなく、改善の余地や課題についても適切に伝えることが重要です。

まとめ

LMXとはどのようなものか、LMXはどのような影響があるか、どのようにLMXを良好にするかについてまとめました。

「LMXを良好にするために必要な振る舞い」についてまとめましたが、根本的にリーダーがメンバーの成功に関心があり、支援するマインドを持っていなければ、自らの振る舞いを改善する意欲が発生しません。そういった意味では、リーダーの任命も重要な要素になります。また、どうしても相性の問題があるため、相互に関係向上の努力は尽くしたうえで相容れない場合はチーム異動などで対応することもあるでしょう。

補足

リーダーとメンバーの関係性は大切である一方で、リーダーも完璧ではありません。理想と異なる状態であったとしても、それを元にリーダーを非難することがないようにしましょう。

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